北八ヶ岳BCクロカンツアー

2016/03/10


 
先週の始め2/29-3/1の2日間、50Lの大型ザックに厳冬期のテント泊装備をパッキングして、BCクロカンでロングツーリングしてきました。
 
2
 
BCクロカンって何?と言う方の為に簡単に説明すると、BCクロカンとは「Back Country Crosscountry Ski」の略で、オリンピック競技等で皆さんもご存知のクロスカントリー(ノルディック)を、専用コースではない自然のフィールドで楽しむ為のスキーです。
 
29
 
板のソールにはウロコ(ステップカット)加工が施されていて、ある程度の斜度であればクライミングスキンを貼らずに登る事が出来るので、登りと滑りがシームレスな感覚で、スピーディーに行動出来る事が最大の特徴。
 
足下部分には滑る為のスキーよりも大きなキャンバー(逆反り)があり、それを踏み込んでしならせる事で高い推進力が生まれますので、板を上手く滑らせれば走るよりも圧倒的に早い!
 
さらにBCクロカンの板にはスチールエッジが付いており、歩く際のトラバースが楽なだけでなく、滑走時には(比較的)ターンもしやすく、慣れてくれば(ある程度 笑)滑る事も可能です。
 
数年前から、細板革靴で滑っていた昔のテレマークスキーのような感覚で滑って楽しむ人はいましたが、BCクロカンで歩いたり滑ったりしながらロングツーリングをする人は少数派でした。
 
そんなBCクロカンには、以前から”歩く”為のスキーとしても、もっと色々な可能性があるんじゃないかと考えていたところ、3年程前に今回のトリップも一緒だったロータスの福地さんが「BCクロカンで信越トレイルをスルーしたい」と話していたのが自分の考えていたBCクロカンのイメージとバッチリ重なり、年明けに会った時に「今度BCクロカンでツアー行きません?」と誘ったところ「行きましょう!」と即決定(笑)
 
せっかくなので、興味がありそうな数人に声をかけてみたところ、スケジュール的に都合の良かったロータスの高木ノブ君が「行く!」とこれまた即答(笑)
 
sign
 
それに元MOOSEスタッフで現在はご夫婦で車山高原に移住し、ペンション「コロモデ ゲストハウス」を営みながら、テレマークスキーのレッスンやBCクロカンでのツアーを提案している佐藤君にも急遽参加して貰い、合計4人のパーティーで行く事に。
 
暖冬による雪不足で直前まで場所選びに苦労しましたが、雪が降る事を願ってBCクロカンの聖地と云われる北八ヶ岳に決定。
BCクロカン初体験のノブ君の板とブーツはコロモデでレンタルする事になりました。
いきなり道具を揃えなくても、とりあえず体験する事が出来るレンタルはとてもありがたいです!
  
01
 
早朝にコロモデに集合しレンタルを済ませ、装備分担等の準備を整え、いざ北八ヶ岳ロープウェイ乗り場へ。 
心配していた天気も出発する頃から雪になり、思っていたよりは良さそうな気配。
 
03
 
02
 
でもロープウェイ乗り場も全くと言っていいくらい雪が無く、みんなテンション低めです…。
 
1
 
かなりのんびり気味に11時のロープウェイに乗り込み終点駅に到着すると、外は吹雪いてて結構な荒れ模様。
登山であれば景色も全く期待できずそそくさと撤退するぐらいの天候ですが、雪が全然無いかもと心配していた僕達にとっては恵みの雪です(笑)
 
3
 
しかも北八ヶ岳らしく気温も低く水分少なめのパウダースノーが10cmくらい積もっていて、軽くスライドするだけで板がスイスイ走ってくれるグッドコンディション! 
予想よりかなり良いコンディションに一同テンションアップ!(笑)
 
4
 
歩きだと退屈な林道もクロカンだとグングン進めて楽し過ぎです!
クロカン初体験のノブ君もあっという間に慣れてベテランの風格を漂わせています(笑)
 
5
 
林道途中から雨池に降りてノートラックの平原(湖上)を気持ち良く進み、適当な所からまた森に入り、木々の間を縫って登山道に復帰したら、そこからはしばらく登山道。
 
6
 
直登にならないように急な登りはジグを切りながら。
アップダウンが激しい個所や藪が邪魔な所は板を脱いで歩きます。
でもクロカンの板は軽いので手に持っても全然平気です。
 
7
 
雪が少なく木道が埋もれていないので、プチクレバス状態(笑)
 
8
 
そんなこんなで全く退屈する事も無くあっと言う間に麦草峠に到着。
 
IMG_6223
 
ヒュッテで暖を取らせて貰いながら美味しいコーヒーを頂いた後は、樹林帯のツアーコースを通って初日の目的地である白駒池へ到着。
 
IMG_0614
 
徐々に風雪が強くなってきたので風の影響が少ない地形を選んでテントの設営に取り掛かります。
 
ただこの日はテント設営するには雪の状態が最悪でした…。
降ったばかりの薄い雪の下には前週の雨で出来た厚く硬い氷の層があり、その下には踏んでも握っても全く結合しないザラメの層、さらに下はもうカチカチに凍った土の地面。
軽量化の為に持って行ったフロアレスシェルターはペグダウンして固定する必要がありますが、肝心のペグが全く刺さらず、雪下に埋めて固定しようにも保持力ゼロ・・・。
あろう事かスノーアンカーになる物を何一つ持っていなかったので、仕方なくガイラインを細い木の幹に巻きつけたり、ガイラインを結んだスキー板を氷の塊で押さえたりしてなんとか設営完了(汗)
 
設営が終了した頃には辺りも暗くなり始めていました・・・。
 
13
 
寝床の準備が整ったらお楽しみの晩御飯!
 
今回のメニューは冷え切った体を温められようにピリ辛鳥みそ鍋です!
食材をドッサリ担いでいった甲斐あってお腹も満たされ(食べ過ぎ)、体もポカポカに温まりました。
 
食べたらすぐに眠たくなってきて、21時前でしたが各人テントに戻って早々と就寝…。
 
夜は風速15m近い強風、気温もマイナス20度まで下がり全てが凍り付く極寒の世界でしたが、風を避けれる地形のおかげでテントが煽られる事も全く無くダウンマットとバフバフの寝袋に包まれて、一度トイレに起きた以外は朝まで快眠でした。(かなり装備を軽量化してきたロータスの2人は気合いで乗り切ったそうです 笑)
 
そして翌朝・・・。
 
 
IMG_6240
 
目が覚めてテントから出ると、雪は止み、風も少し弱まっていて快晴のTHE DAY!
逸る気持ちを抑えつつお腹一杯に朝食を食べ(笑)、テントを撤収して2日目がスタート!
 
15
 
幕営地からすぐの白駒池に降り立つと、一面真っ白でキラキラと輝く雪の平原が!
 
IMG_6250
 
朝一からテンションMAXでノートラックの湖上を思う存分に歩き回ったら、対岸から樹林帯を通って再び麦草峠へ向かいます。
 
IMG_6252
 
帰りは冬季閉鎖中のメルヘン街道を使って麦草峠方面に戻りながら、折角なので滑って遊べる斜面を探索。
滑りがメインのバックカントリーツアーでは気にも留めないような緩やかな斜面でも、BCクロカンで遊ぶには丁度良く最高に楽しいフィールドになります!
 
そして麦草峠の手前に良さそうな斜面を見付けてドロップ!

 

19
 
ドライパウダーが20cm程積もっていてコンディションは最高!
 
20
 
21
 
22
 
あっという間の短い距離ながら下まで気持ち良く滑り降りたら、重たいザックをボトムにデポし、斜面を登り返してまた滑る!
身軽になると登りがめちゃくちゃ楽です!
 
23
 
天気も雪質も最高なので登っては滑るを何本か繰り返し、斜面もギタギタ(笑)になった頃、お腹も空いてきたので麦草ヒュッテに再度立ち寄ってお昼ご飯にカレーうどん。
 
IMG_0437
 
冬季営業してくれている山小屋は本当にありがたいですね!
 
こんな感じでその日その時のコンディション次第で歩きながら良さそうな斜面を探して滑って遊んだり出来るのもBCクロカンの楽しいところ。
 
18
 
薪ストーブの暖かさに後ろ髪を引かれながら、ゴールに向かって再び出発!
 
24
 
天気最高!
 
26
 
帰りは麦草峠から五辻ルートでロープウェイ駅まで戻ります。
北八ヶ岳の綺麗な森や真っ白な湿原を通りながら、今回の奇跡的なコンディションに再び感謝。
やっぱり日頃の行いが良いと山の神様がご褒美をくれるんですね〜(笑)
 
27
 
大型ザックを背負っての行程でそれなりに疲れているはずなのに、天気やフィールド、仲間に恵まれたおかげで疲労感は全然感じないままロープウェイ駅に到着!
 
後はロープウェイで麓まで降りるだけ!…っと思いきや、某氏のリクエストでゲレンデを滑って降りる事に…。
ノブ君は今回が初クロカン(スキー自体が通算2回目)なんですが、そんなの全くお構い無しです(笑)
みんなテンション高めなのでアッサリ同意して、ゲレンデでダウンヒル開始!
 
ところがさっきまで余裕だったのに、ゲレンデを滑り始めた途端にザックが重くてバランス取れないわクロカンでゲレンデの圧雪バーン滑るの難しいわで下に降りる頃には太腿パンパンでヘロヘロ(笑)
 
まぁ何とか無事?に滑り切り、2日間のBCクロカンツアーをコンプリート!
 
これ以上無い最高のコンディションと素晴らしいフィールド、そして今回も仲間に恵まれ完璧なツアーとなりました!
いや〜楽しかった!
 今シーズン中にもう一度BCクロカンのロングツアーに行く事を約束し、いつもと違う場所の筋肉痛を感じながら帰路へ就きました。
 
 
今回は軽量化よりも快適性を重視した結果、50Lの大型ザックにテント、冬用シュラフ、ダウンマット、防寒対策のウェア、そして鍋と食材をパッキングしてトータルウェイト約14kg。
斜面(とゲレンデ)を滑降している時はザックの重みでバランスを取るのに苦労するものの、登りや水平移動ではそれだけの重量を背負っている事を忘れるくらいの推進力を発揮してくれるのがクロスカントリースキー最大の利点。
同重量を背負ってスノーシューやワカンで行動するより何倍も速く負担も少ないです。
つまりそれは同じ時間でもより遠くまで進めるという事!
 
これこそがスキーの原点であり、道具として一番の役割と言えるんじゃないかと思います!
 
それに加え、余った時間は滑って遊んだり出来る事も魅力です!(もっと滑りも上手くなりたい…)
 
冬山と聞くと危険なイメージが先行しがちですが、ピークを目指したり、滑る為のエキサイティングな斜面を目指したりする事がないBCクロカンは、スノーシューと同様に危険度も少なくビギナーにも楽しめるウィンターアクテビティです!
今回の僕達のようにテント装備を背負ってのツアーはハイキングの要素も強いですし、雪さえあれば近くの低山や林道でも十分に楽しめて、トレイルランニングの冬季トレーニングとしても最適です!
 
BCクロカンにはまだまだ無限大の可能性を感じていて、今回のトリップでその想いを更に強くしました!
とりあえず次回のトリップではもっと装備を軽量化して、ファストパッキング的に長い行程を進んでみたいと思っています。
 
25
 
色々考える程にアイデアが浮かんできてワクワクします!
 
皆さんも一緒にBCクロカンやりましょう!
 
ご興味のある方は、是非MOOSEにご相談下さい(笑)
 
Keisuke